CentOS8.2とSamba4.12.6を使ってActive Directory環境を構築する手順(まとめ)
CentOS8.2とSamba4.12.6を使ってActive Directory環境を構築する手順を探している方へ。
CentOS8.2とSamba4.12.6を使ってActive Directory環境を構築する手順を知りたい
CentOS8.2とSamba4.12.6を使ってActive Directory環境を構築する手順を知りたい、と考えていませんか?
CentOS8.2とSamba4.12.6を使ってActive Directory環境を構築する手順を紹介します
本記事では、下記の内容を解説します。
- CentOS8.2とSamba4.12.6を使ってActive Directory環境を構築する手順
この記事を書いている私は、某SIerに勤務しながら、
WEB系エンジニア・インフラエンジニアに憧れて、プログラミングおよびインフラ技術の勉強をしています。
私が実機で試したコマンドや画像を載せて書いています。
記事の信頼性担保に繋がると思います。
- CentOS8.2とSamba4.12.6を使ってActive Directory環境を構築する手順(まとめ)
- 0. CentOSサーバ構築
- 1. Active Directoryの設計
- 2. 事前準備
- 3. Sambaインストールに必要なパッケージの追加
- 4. Sambaのソースコードのダウンロードおよび展開
- 5. Sambaのconfigure実行
- 6. makeの実行
- 7. make install実行
- 8.ドメインのデプロイ
- 9. DNSの動作確認
- 10. Active Directoryの動作確認
- 11. Sambaのサービスを作成して、OS起動時にSambaが自動起動するように設定
- 12. firewalldの設定
- 13. WindowsPCのドメイン参加
- 14. RSAT(リモートサーバー管理ツール)のインストール
- 15. Active Directoryパスワードポリシーの変更
- インフラエンジニアになるための勉強のやり方
- まとめ
0. CentOSサーバ構築
本記事では、CentOS8.2の環境を使っています。
下記の記事で、ローカルネットワーク内にある物理マシンにCentOS8.2を新規インストールして、
最低限必要な設定を済ませるまでの手順を紹介しています。
手元にCentOS環境が無い方も、この記事の手順でサーバーを構築してみてください。
1. Active Directoryの設計
今回は、以下の環境でActive Directoryを構築します。
項目 | 内容 |
---|---|
サーバーのOS | CentOS8.2 (2004) (2020年8月時点での最新バージョン) |
サーバーのIPアドレス | 192.168.1.102/24 |
サーバーのホスト名 | SV-EARTH |
Sambaのバージョン | 4.12.6 (2020年8月時点で最新バージョン) |
Active DirectoryのDNS名 | ad.planet.jp |
Active DirectoryのNetBIOS名 | PLANET |
2. 事前準備
事前準備として、以下を行います。
- hostnameの確認
- hostsの編集
- NTPサーバ時刻同期設定の確認
- epelレポジトリのインストール
- PowerToolsの有効化
3. Sambaインストールに必要なパッケージの追加
Sambaインストールにはたくさんのパッケージが必要になります。
下記のSamba wikiのページの「Red Hat Enterprise Linux 8 / CentOS 8」のところに書かれている内容にしたがって、
必要となるパッケージをまとめて追加します。
4. Sambaのソースコードのダウンロードおよび展開
CentOSのBaseレポジトリにあるSamba4パッケージをそのままインストールしても、
ドメインコントローラーの機能が使えませんので、
Sambaをソースコードからインストールする必要があります。
/usr/local/src/samba
ディレクトリを作成して、
https://download.samba.org/pub/samba/samba-latest.tar.gz
をwget
でダウンロードして展開します。
samba-latest.tar.gz
のサイズは約17MBです。
5. Sambaのconfigure実行
Sambaのソースコードを展開できたら、次はconfigure
コマンドを実行して、「Makefile」を作成します。
CentOS8.2 では、Python3 が利用できますので、Python3を使ってconfigureを実行します。
時間は3分ほどかかりました。
6. makeの実行
configure
の実行が終わると、「Makefile」が作成されていますので、
次はmake
コマンドを実行してSambaソースコードをコンパイルします。
ここでも、Python3を使ってコンパイルを実行します。
make
コマンド実行が完了するまでの時間は40分以上かかりました。
7. make install実行
コンパイルが完了したら、いよいよ、make install
コマンドで、Sambaのインストールを実行します。
インストールには13分ほどかかりました。
8.ドメインのデプロイ
Sambaのインストールが完了したら、ドメインのセットアップを行います。
samba-tool domain provision
コマンドを使って、
対話形式でそれぞれの項目を入力してセットアップができます。
ドメインのAdministratorのパスワードも、ここで登録します。
9. DNSの動作確認
DNSの動作確認として、以下を順番に行います。
/etc/resolv.conf
の確認- DNSサーバーの変更
nmcli
コマンド - ネットワークの再起動
systemctl restart NetworkManager.service
コマンド - DNSゾーンの確認
samba-tool dns zonelist
コマンド - ドメインコントローラーの正引き
host
コマンドでホスト名からIPアドレスを検索 - LDAP、KerberosのSRVレコードの正引き
host -t SRV
コマンド - インターネット側の正引き
host www.ntt.com
10. Active Directoryの動作確認
Active Directoryの動作確認として、以下を順番に行います。
- ユーザー情報の確認
samba-tool user list
コマンド - FSMO(Flexible Single Master Operation:操作マスター)の確認
samba-tool fsmo show
- レプリケーションの確認
samba-tool drs showrepl
- ドメインレベルの確認
samba-tool domain level show
- Kerberos認証の設定
/etc/krb5.conf
を配置して、kinit
コマンド
11. Sambaのサービスを作成して、OS起動時にSambaが自動起動するように設定
Sambaをソースコードからコンパイル、インストールしたときには、
サービスのスクリプトがありませんんで、手動で作成します。
CentOSが再起動したときに、Sambaサービスが自動起動するように設定します。
12. firewalldの設定
Sambaを利用するには、firewalldにも設定が必要です。
下記のSamba wikiのページに、許可すべきポート番号が書かれています。
https://wiki.samba.org/index.php/Samba_AD_DC_Port_Usage
13. WindowsPCのドメイン参加
ドメインに参加させるWindows10端末の設定です。
DNSサーバーにドメインコントローラーのIPアドレスを指定して、
WORKGROUP所属の端末だった状態から、ドメイン参加の端末に変更します。
14. RSAT(リモートサーバー管理ツール)のインストール
最後に、ドメイン参加したWindows10端末に、「RSAT リモートサーバー管理ツール」をインストールして、
Windows端末から、ドメインの管理、ユーザーの追加が行えるようにします。
Windows10の旧バージョン(1803以前のバージョン)では、MicrosoftのサイトからRSATをダウンロードしてインストールする形でしたが、
Windows10の新バージョン(1809以降のバージョン)では、RSATがオンデマンド機能に変更になりました。
設定 > アプリと機能 > オプション機能 > +機能の追加
から、RSATを選択してインストールすることができます。
15. Active Directoryパスワードポリシーの変更
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まとめ
CentOS8.2 と Samba4.12.6 を使って、ドメインコントローラーを構築して、
Active Directory環境(Windows Serve 2008R2相当)を作る手順を紹介しました。
CentOS8.2では、Python3が利用できるようになったので、CentOS7のときよりも、一部の手順が簡単になりました。
Windows Serverのライセンスが不要で、Active Directory環境を作れるのは、
導入コストも運用コストも抑えられるメリットがあります。
ぜひ、本記事の手順を参考に、試してみてください。
以上、読んでいただきありがとうございました。