『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』(岸見一郎/古賀史健 著)、難しそうな印象を持っていたが、読んでみたら非常に読みやすかった。
アドラー心理学について書かれた『嫌われる勇気』を読んでみました。読む前は難しそうな印象を勝手に持っていたのですが、この本は、対話形式で書かれていて、文章が非常に読みやすかったです。
「すべての悩みは対人関係の悩みである」
フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称され、世界的名著『人を動かす』の著者・D.カーネギーなど自己啓発のメンターたちに多大な影響を与えたアルフレッド・アドラーの思想を、 1冊に凝縮!!
悩みを消し去り、幸福に生きるための具体的な「処方箋」が、この本にはすべて書かれている。
人はいま、この瞬間から幸せになることができる
嫌われる勇気 |
この本は、原案がアドラー心理学を研究されている岸見一郎さんで、ライティングをフリーライターの古賀史健さんが担当され、二人の共著、となっています。
古賀史健さんといえば、前に別の記事で紹介した『20歳の自分に受けさせたい文章講義』を書かれた方です。
この古賀さんの書く文章は本当に読みやすくて、勉強になります。
20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書) 古賀史健 |
何年か前に放送していたテレビドラマ「嫌われる勇気 (2017年/フジテレビ)」がやっていました。香里奈さん主演の刑事ドラマで、ドラマは結構好きで見てました。
その原作になったこの本のことも知っていたのですが、心理学の本というと何だか難しそうだな、と思い手が出ませんでした。
でも、今回あらためて読んでみたら、とっても読みやすい文章で、しかも、先生と生徒の二人の対話形式で書かれていたので、すらすらと読み進めることができました
ドラマ「嫌われる勇気」の中で、主役の香里奈さんの言うカッコいいセリフに、
それはあなたの課題であって、私の課題ではありません
という言葉がありましたが、この「課題の分離」という考えが、この本の中にも何度も登場します。
「嫌われる勇気」のもくじ
第一夜 トラウマを否定せよ
- 知られざる「第三の巨頭」
- なぜ「人は変われる」なのか
- トラウマは、存在しない
- 人は怒りを捏造する
- 過去に支配されない生き方
- ソクラテスとアドラー
- あなたは「このまま」でいいのか
- あなたの不幸は、あなた自身が「選んだ」もの
- 人は常に「変わらない」という決心をしている
- あなたの人生は「いま、ここ」で決まる
第二夜 すべての悩みは対人関係
- なぜ自分のことが嫌いなのか
- すべての悩みは「対人関係の悩み」である
- 劣等感は、主観的な思い込み
- 言い訳としての劣等コンプレックス
- 自慢する人は、劣等感を感じている
- 人生は他者との競争ではない
- 「お前の顔を気にしているのはお前だけ」
- 権力争いから復讐へ
- 非を認めることは「負け」じゃない
- 直面する「人生のタスク」をどう乗り越えるか
- 赤い糸と頑強な鎖
- 「人生の嘘」から目を逸らすな
- 所有の心理学から使用の心理学へ
第三夜 他社の課題を切り捨てる
- 承認欲求を否定する
- 「あの人」の期待を満たすために生きてはいけない
- 「課題の分離」とはなにか
- 他者の課題を切り捨てよ
- 対人関係の悩みを一気に解消する方法
- 「ゴルディオスの結び目」を断て
- 承認欲求は不自由を強いる
- ほんとうの自由とはなにか
- 対人関係のカードは、「わたし」が握っている
第四夜 世界の中心はどこにあるか
- 個人心理学と全体論
- 対人関係のゴールは「共同体感覚」
- なぜ「わたし」にしか関心がないのか
- あなたは世界の中心ではない
- より大きな共同体の声を聴け
- 叱ってはいけない、ほめてもいけない
- 「勇気づけ」というアプローチ
- 自分には価値があると思えるために
- ここに存在しているだけで、価値がある
- 人は「わたし」を使い分けられない
第五夜 「いま、ここ」を真剣に生きる
- 過剰な自意識が、自分にブレーキをかける
- 自己肯定ではなく、自己受容
- 信用と信頼はなにが違うのか
- 仕事の本質は、他者への貢献
- 若者は大人よりも前を歩いている
- ワーカホリックは人生の嘘
- 人はいま、この瞬間から幸せになることができる
- 「特別な存在」でありたい人が進む、ふたつの道
- 普通であることの勇気
- 人生とは連続する刹那である
- ダンスするように生きる
- 「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てよ
- 人生最大の嘘
- 無意味な人生に「意味」を与えよ
ドラマ「嫌われる勇気」の主題歌だった、大塚愛さんの「私」という曲も、とても好きで当時繰り返し聞いていました。渋谷タワーレコードの発売イベントにも行って、生で聞けたのも良い思い出です。コロナの時代では、もうあんなイベントは無理なんだろうな、と。